ロシアのウクライナ侵攻から1週間がたった。いまだに首都キエフを落とせない事態は、ロシアにとって想定外だったようだ。その「証拠」の1つを先月末、欧州メディアが報じている。
「証拠」とは、ロシアの国営メディア「RIAノーボスチ通信」が、2月26日午前8時(モスクワ時間)にネット上で掲載した「ロシアと新たな世界の到来」という署名記事。これ実は、ウクライナ侵攻から2日後のこの朝、「キエフ陥落」を想定し、配信セットされていた予定稿だった。
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ノーボスチ通信はすぐに削除したが、時すでに遅し。いち早く保存した人物の上げた「魚拓」がいまもネット上にあり、ウラジーミル・プーチン大統領の本音を知る材料として、全世界に拡散されている。
原文を知人の在日ロシア人に読んでもらうと、書き出しは、「われわれの目の前に新たな世界が出現した」というドラマチックなもの。続く長文中に、重要な点が2点ある。
1点目は、ウクライナ侵攻の狙いだ。記事によると、プーチン氏の目的は、冷戦終結後の国際秩序を変えることにあり、東部の2つの「自称共和国」の独立や、平和維持活動など、「口実」に過ぎないことが明らかである。