
大リーグは新労使協定を巡るオーナー側と選手会の交渉が決裂。3月31日(日本時間4月1日)の公式戦開幕が延期となった。労使紛争では27年ぶりの異常事態だが、思い返せば当時もさまざまな問題が生じた。
1994年8月に労使対立が激化し、無期限ストライキに突入。残りシーズン打ち切りとなり、ワールドシリーズも中止。翌95年になっても労使交渉は進展せず、全く開幕の見通しが立たず。苦肉の策として代替選手でキャンプに臨んだ。
そのため、大リーガーを夢見る若者たちで各球団の入団テストは花盛り。エンゼルスの応募者には財務省職員や会社役員など多彩。ブレーブスではナックルボールの名手で一時代を築いた55歳のフィル・ニークロが現役復帰? とささやかれた。
その一方でオリオールズは「球団史を汚す」として代替選手獲得に反対。マリナーズも代替選手をプレーさせない旨の意見書を提出。ケン・グリフィーJr.は「引退寸前のくたびれた選手なんか見たくない」と息巻くなど足並みがそろわなかった。
また、93年ブルージェイズを2年連続世界一に導いたシト・ガストン監督に続き、タイガースの名将スパーキー・アンダーソン監督もキャンプ参加を拒否。「メジャー選手が集まらない限り、私が戻ることはない」と目に涙を浮かべて語った。