映画人の血がなせる撮影本能「焼け跡クロニクル」 一軒家が全焼、目の前の出来事を撮る映像作家としての業1/2ページ

家族の姿が見えてくる
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火事だ。父親はいったん、3人の子供を連れて外に避難した。目の前で自宅が燃えている。ふと父親は思った。新作データの入ったパソコンとハードディスクを持ち出さなければ…。父親は火の中に飛び込んだ。

父親の名は映画監督の原將人さん(71)。映画人ならば知らない人がいない伝説的な人物だ。將人さんにとって新作データは再生不可能の唯一無二のもの。ひどいやけどを負いながらも身を挺して守り抜いた。

2018年夏。京都・西陣の一軒家が全焼した。妻のまおりさん(49)は消防車や消防士、近隣住人でごった返す中、スマホで動画を撮り始めた。それが現在公開中のドキュメンタリー映画「焼け跡クロニクル」(監督・撮影・編集:原まおり、原將人)につながった。

將人さんの作品を共同製作したこともあるまおりさんの映画人の血がなせる撮影本能。將人さんは、キネマ旬報(2022年3月号)のインタビューで「ポケットにiPhoneを携帯していたのに火事を撮影しなかったことも悔しくて…」と明かしている。

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