国防最前線

フィリピンへ「防空レーダー輸出」成功 教訓は“人”軍関係者と信頼構築 一方の韓国も世界各国でセールス、官僚だけの限界を露呈1/2ページ

『令和3年版防衛白書』と、後藤空将の手記(右下)
『令和3年版防衛白書』と、後藤空将の手記(右下)

「モノを売るよりも、まずは人を売れ!」

営業マンさながらに力説するのは、防衛装備庁長官官房装備官(航空担当)の後藤雅人空将だ。フィリピンへの防空レーダー輸出についての手記が、『令和3(2021)年版防衛白書』で紹介されている。成功の教訓は、現地大使館や企業を含めた「人」であるといい、カウンターパートである軍の関係者たちと信頼関係を築いたことが大きかったと振り返る。

このレーダーは、三菱電機の固定式警戒管制レーダー装置3基と、移動式対空レーダー装置1基で、対中国の文脈でもフィリピンとの協力関係構築は画期的だ。

そして今回、契約が成功した背景には、防衛装備庁が積み上げてきた両国関係があった。

これに先立つ17年3月、防衛装備庁はフィリピン海軍に対し、海上自衛隊のTC90練習機2機を引き渡し、翌18年3月に残り3機を納めている。

16年からは海上自衛隊徳島航空基地(徳島県松茂町)において、フィリピン海軍のパイロットに対する訓練を実施した。これは前例のない初めての試みであり、相当な苦労があったことは想像に難くない。

自衛隊の部隊や製造企業など、各所との細かい調整をこなすという根気のいる作業が重ねられた。そして、初めてフィリピン海軍の軍人が練習機を見るために徳島基地に降り立ったときは感慨もひとしおだったようだ。

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