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東京マラソン(6日)は五輪連覇中のエリウド・キプチョゲ(37)=ケニア=が2時間2分40秒の大会新記録で優勝。男子は日本記録を持つ鈴木健吾(26)が2時間5分28秒の4位、女子は昨年12月に鈴木と結婚した一山真緒(24)が2時間21分2秒の6位で夫婦そろって日本選手トップだった。夫妻の合計タイムは4時間26分30秒で、2017年にケニアの夫婦が樹立したギネス世界記録を35秒更新し、ともに7月の世界選手権(米オレゴン州)代表入りに大きく近づいた。
鈴木は昨年2月のびわ湖毎日マラソンで2時間4分56秒の日本新記録を樹立。以降は周囲から注目されたが、引っ込み思案な性格で「精神的に削られる場面があった。少しは(プレッシャーを)乗り越えられたかな」と涙ぐんだ。
いつもは厳しい日本陸連副会長・瀬古利彦ロードランニングコミッションリーダー(63)の口は意外にも滑らかだった。世界トップランナーのキプチョゲの走りを目の当たりにし「神のような人。よくぞ彼みたいな選手が地球上に現れたなと思います」と絶賛。また、鈴木にも「(日本記録が)フロックでないことを証明したと思う」とたたえ、日本選手3人が2時間7分台で走り、日本男子が「どんどん底上げできていると思う」とご満悦だった。
一昨年3月の前回大会では、日本選手最上位の大迫傑が2時間5分29秒の4位ながら当時の日本新記録も、「五輪でメダルは厳しい」と断言するなど辛口評価した姿とは大違いだ。
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2年前の覇者、ビルハヌ・レゲセ=エチオピア=と大迫のタイム差は1分14秒差で、今回のキプチョゲと鈴木は約3分差と倍近くに広がった。2年後のパリ五輪へ、残された時間の違いはあるとはいえ、日々高速化するマラソン界で日本勢は今度こそ「世界の壁」を壊せるのか。 (山戸英州)