
新関脇の阿炎(27)=錣山=が13日からの春場所(エディオンアリーナ大阪)を前に〝難敵〟の壁を突破した。
12勝で殊勲賞を獲得した初場所後に、新大関御嶽海、新小結豊昇龍らと収録した「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)が6日夜にオンエア。一昨年7月場所中にキャバクラ通いが発覚し、日本相撲協会のガイドライン違反で3場所出場停止となったが「不祥事からの復帰! 騒動の裏側すべて告白します!」と題し、両親や兄ら家族総出で取り上げられた。
司会のダウンタウン・浜田雅功から突っ込まれた阿炎は、「報道のとおりだと思うんですけど」などとソツなく対応。一夜明けた7日、稽古後に取材に応じた阿炎は「ああいう踏み込んだことを言われても、自分でやってしまったことなので。それを自分で受け止めて、ちゃんと受け答えができたのは、よかったと思います」と収録を振り返った。
さらに「ああいうことは、これからずっとついてくるものだと思いますし。逆に自分はその質問されたからいやになるとかはないですし。それも越えていかないといけないと思っているので」とすべて受け止めた上で、前に進む決意を語った。
これまでも「ジャンク―」は大相撲特集を組み、多くの力士が出演しているだけに、協会もどんな番組か理解しているはず。そんなバラエティー番組に協会が出演許可を出したのは、阿炎のみそぎは完全に済んだと判断したからだろう。
幕内復帰後は2場所連続12勝で優勝争いに加わり、大関候補の呼び声も高い。阿炎は「そう言っていただけることはうれしい。もっと頑張らないといけない気持ちになる。大関うんぬんより、そう思っていただける相撲をみせられれば」と無欲。浜ちゃんのツッコミにもひるまず、もう怖いものはない。春場所は三度目の正直で初優勝といきたいところだ。 (塚沢健太郎)