
8日のニューヨーク原油先物相場で、主要指標が1バレル=123・70ドルと約13年7カ月ぶりの高値となった。ロシアは自国産原油を欧米が禁輸すれば「300ドルを超える」と脅している。国内のレギュラーガソリン価格は1リットル=172円台で過去最高(東京都区部で182円)に近づくが、さらなる上昇が懸念される。
バイデン米大統領は8日、ロシア産原油などの輸入禁止措置を発表。英政府はロシア産の油製品などの輸入を2022年末までに段階的になくすとし、欧州連合(EU)欧州委員会も「30年よりかなり前に」ロシア産化石燃料への依存から脱却する計画を公表した。
バイデン氏は、禁輸措置でロシアに「強力な打撃を与える」と訴えた一方、米国内の原油価格はさらに上がると指摘し、石油会社に「価格水増しをしている場合ではない」と過度な値上げを牽制(けんせい)した。
ただ、欧米の禁輸により、原油価格高騰に拍車が掛かる恐れがある。ロシアのノバク副首相は7日、欧米がロシア産原油などを禁輸すれば原油価格は1バレル=300ドルを超えると指摘し「市場に破滅的な結果をもたらす」と警告した。