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ウクライナに侵攻したロシア軍は、民間人への無差別攻撃や、原子力発電所に砲撃するなど〝狂気の暴走〟を続けている。国際秩序を無視した凶行は、第二次世界大戦末期、日ソ中立条約を一方的に破棄し、北海道占領をもくろんで南樺太・千島列島などに侵攻してきた旧ソ連と重なるものがある。北の大地は、樋口季一郎陸軍中将の指揮で、日本陸軍第5方面軍(司令部・札幌)が必死に抗戦して死守した。樋口中将の孫である樋口隆一明治学院大名誉教授は、現在のロシアに何を思うのか。
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「旧ソ連の侵攻も、ウラジーミル・プーチン大統領が語った侵攻理由も、国際社会はとても受け入れられない。歴史は繰り返されている」
樋口氏はこう語った。
祖父の樋口中将は、北海道を守り抜いただけでなく、ナチス・ドイツの迫害から逃れてきた2万人ものユダヤ人を救った。樋口氏は2020年、祖父が書き留めていた記録をもとに『陸軍中将樋口季一郎の遺訓』(勉誠出版)として出版した。
その祖父から、ロシア(ソ連)という国の本質を何度も聞かされたという。
「祖父はよく、『ロシア人は一人ひとりはいいヤツだが、国家としてはどうしようもない。聞く耳を持たない。まったく信用できない』と話していた。ソ連に苦しめられたからこその言葉だろう」