
阪神は9日、広島とのオープン戦(甲子園)に2―2の引き分け。投げては昨年10勝のうち5勝を挙げた〝鯉キラー〟の秋山拓巳(30)が4回1失点と順調な調整ぶりの一方で、守備では「4年連続12球団最多失策数」を誇るチームらしい〝持病〟も露呈した。
1回、広島の先頭打者・大盛の左中間への安打を左翼・ロハスが緩慢な動きで二塁打にしてしまい先制点を献上。1点リードの8回に登板した馬場は四球、暴投で自らピンチを招き、走者を三塁において痛恨のボーク…。お粗末なミスの連続で同点を許したのだ。
2月27日のヤクルト戦(浦添)では3失策。矢野燿大監督(53)は「もう少し守備に関しては締まりのあるプレーをしていかないと…」と厳しく断罪したものの、効き目がないのが辛い。
昨年の春季キャンプで元巨人の川相昌弘氏(57)=現巨人ファーム総監督=を臨時コーチに招き、失策数撲滅の対策を講じたが効果てきめんとはならず…。今年も不安が積もる一方だが、唯一最後の〝処方箋〟になりそうなのが、今季から甲子園球場がようやくLED照明に改造されたこと。この日の試合後にお披露目された。
甲子園の照明を刷新するのは13年ぶりで、パナソニックが約2年かけて専用のLED照明を開発。「守りやすくなった」とのナインの声を聞いた球場関係者は「薄暮で見にくいとかあった。(LED照明で)失策も減ってくれればいいけど…」と淡い期待を寄せた。この日はデーゲームで、ミスに照明は関係なかったが、せめてナイターの失策数は減らしたいところだ。(岩崎正範)