しかし、国会では、文与党(=尹氏にとっては野党)が議席の3分の2を占めている。今回の大統領選と同時に実施された国会議員補欠選挙では、「国民の力」が5戦全勝した。だが、「ほぼ3分の2」の壁の高さは変わらない。
おそらく尹錫悦政権は内閣の構成からして、国会の抵抗に遭いスムーズには進められない。
国会だけではなく、裁判所、軍、警察、情報機関の上層部も、文政権の意向に沿った「左翼あるいは進歩派」が握っている。各級の選挙管理委員会、国営通信社や国営(公営)放送も同様だ。官公組織の上層部に根を張った左翼人脈を一掃するだけでも2年ぐらい要するかもしれない。
日本では、韓国大統領選で保守派が勝てば、対日を含む外交・安保政策、国内経済政策などが大転換するとの見方が多いようだが、大間違いだ。