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2月に死去した作家、元東京都知事の石原慎太郎氏(享年89)が昨秋、余命3カ月と宣告された際の心情を記した文章を残していたことが10日、分かった。「太陽の季節」の作家としてたびたび作品のテーマとして扱い、間近に迫った死を「己の季節の終り」と捉え、「いつかは沈む太陽だから」とつづっていた。同日発売の総合誌「文芸春秋」4月号に掲載される。
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「死への道程」と題された遺稿は昨年10月19日の日付が記され、腹痛の原因を調べる検査を受けた後に医師と対話する場面から書き起こされていた。余命宣告を受け、「以来、私の神経は引き裂かれたと言うほかない」「私の文学の主題でもあった『死』はより身近なものとなりおおせた」と受け止めた。
「己の季節の終り」に浮かんだ言葉として挙げたのは、美空ひばりさんの歌になぞらえた「いつかは沈む太陽だから」。さらに「私の死はあくまでも私自身のものであり誰にもどう奪われるものでありはしない。私は誰はばかりもなく完璧に死んでみせる」と決意を記していた。
一方、石原氏の後を追うように、妻の典子(のりこ)さんが今月8日に死去したことが関係者の話で分かった。84歳だった。死因などは不明。葬儀は近親者のみで執り行う。