
NHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」もいよいよ佳境。クライマックスが楽しみですが、当初から物語を彩った和菓子のあんこは、最後まで重要な役割を果たしそうです。
特に、上白石萌音さんや深津絵里さんが「おいしゅうなれ、おいしゅうなれ」とおまじないをかけながら小豆を炊くシーンは印象的。SNSにも「無性に食べたくなった」「あんこづくりに挑戦した」など〝カムカムあんこ〟に魅せられた投稿が絶えません。そこで、ドラマの菓子指導を担当された和菓子の専門家・中西信治さんにおいしいあんこの極意を聞きました。
すると「おいしくなれ、と思いを込めたあんこが一番です」とドラマそのままの答えが返ってきました。あの印象的なシーンは中西さんのあんこづくり、そのものだったのです。なんでも「おいしくなってほしい思いが、ホントにあんこに伝わります」とドラマの制作陣に伝えたことが、シーンづくりのきっかけになったとか。ドラマには専門家の思いも生きているのですね。
そんな中西さんは大阪府松原市の人気和菓子店「御菓子司 吉乃屋 松原」店主として日々、和菓子を作る傍ら、辻製菓専門学校の講師や大阪府生菓子協同組合の理事も務める大阪和菓子界の重鎮です。NHKからドラマの菓子指導を託されたのも「大阪にこの人あり」と評されているからに他なりません。