
2011年3月11日の東日本大震災から11年。いまだ余震は続くうえ、近い将来に首都直下地震や南海トラフ巨大地震など大規模災害の発生も懸念される。都市部では、帰宅困難者対策や通勤時の混乱など課題も残るが、改めて災害への備えや発生後の心得を確認しておきたい。
昨年、最大震度5弱以上の地震を観測したのは10回。福島県沖では2月に最大震度6強、マグニチュード(M)7・3の揺れが起き、震災の余波が続いていることを改めて思い知らされた。10月7日に千葉県北西部を震源とするM5・9の地震や、12月には鹿児島県トカラ列島周辺でM6・1の地震も起きた。
今年に入って震度5弱以上の地震は今月7日時点で2回。震度3以上は東京、大阪の都市圏に近い震源を含む列島各地で26回発生しており、警戒は緩められない。
災害史に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は「今月に入り、能登地方で小さな地震が連日発生しており、福井から秋田方面まで日本海側地域が注意が必要だ。関西では紀伊水道の地震もみられ、南海トラフの流れの一つとみていい。神奈川県東部や東京湾岸でも小さい揺れが確認されている」と指摘する。
パプアニューギニア北岸やトンガ沖では火山の大規模噴火も起きた。
「いずれも太平洋プレートの活発化という遠因は共通している。国内3つのエリアでは今後は大きい地震に注意が必要だ」と高橋氏。