警戒地域には、東京や大阪の大都市圏も含まれる。東日本大震災やその後の大きな地震発生の際には交通インフラに影響が出て、帰宅困難者や、翌日の通勤通学にも支障を来した経緯もある。
帰宅困難時の対策として、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は「ペットボトルの水や機能性栄養食品、菓子などの簡易食、携帯電話のサブバッテリーのほか、睡眠用のアイマスクと耳栓を携行する。勤務先には救急・衛生用品のセットや毛布、運動靴を常備しておくと便利だ。清潔感が気になる人は介護用の大判のウエットティッシュや水なしで洗髪できる薬剤入り手袋も販売されている。勤務先付近で一時避難が可能な施設を確認することも重要だ」と語る。
コロナ禍で得たノウハウを生かす方法もある。
「発生直後は移動自体がリスクになる。社内でクラウドなどの利用によるデータの共有、出社人数抑制の際の連絡係や当番制など、非常時に移行できる仕組み作りが必要だ」と和田氏。
オンライン診療や出前サービスも普及したが、「バイクでの避難誘導や、医薬品配達などを手がける事業者もいる。構築されたネットワークの活用を検討するべきだ」と提言した。