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北海道千歳市には、一風変わった道がある。それが「C経路」だ。
陸上自衛隊の東千歳駐屯地(千歳市)から、北海道大演習場(札幌市、北広島市、千歳市など)までを結ぶ、約10キロにわたる公道のことを指す。演習場へと向かう戦車や装甲車などの装軌(そうき=キャタピラ式)車両が自走することを認められた珍しい道路である。
付近住民からすると、ありふれた日常の光景となっているが、戦車がうなりを上げてコンビニや住宅の前を通過していく姿には驚かされる。
もともと、この道路は自衛隊創設前から存在し、「A経路」「B経路」もあった。重量物、それも装軌車両となれば、路面はすぐに傷んでしまう。そこで、アスファルトではなく、コンクリート製となっているのが特徴だ。
いずれの道路も、住宅街を避けてつくられたのだが、時代とともに沿線に住宅ができていった。その流れの中で、他の経路も必然と姿を消した。
時間帯によっては渋滞を巻き起こすこともあるので、千歳市では、ホームページにて、「C経路通行予定のお知らせ」を出し、情報提供を行っている。例えば、「通行時間13時30分から15時30分」と示され、「移動車両 99式自走155ミリりゅう弾砲×11、73式装甲車×1、99式弾薬給弾車×1」と、実に細かく車両の種類まで明記されている。