第166回直木賞を受賞した米澤穂信さん。山本周五郎賞作家であり、本作では昨年の山田風太郎賞受賞のほか、4月発表の本屋大賞にもノミネートされた。作家生活20年。「一番の幸せは読者に読んでもらえること」と、実直な人柄をにじませる。 文・竹縄昌
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「これまでの手法や考え方を自然に盛り込んだ」
――おめでとうございます。受賞が決まり、原稿依頼も殺到したのでは
「そうですね。ずいぶんと頂きました。何とか、全て書き終えることができました」
――受賞について。また、仕事への影響は
「受賞は光栄に思っています。しかし、仕事への影響はあまりないと思います。直木賞はいただきましたが、それで私の小説が面白くなったり、上手くなったりすることはなく、これまでの経緯を評価していただいたと思っていて、それはこれからの仕事には関わりのないことだと思っています」