ウクライナへ侵攻したロシアに、日本や欧米が銀行間の資金決済網SWIFTから排除する経済制裁を科している。株安と通貨暴落とインフレがさっそくロシアを襲ったが、日米欧も重い副作用に見舞われかねず、「1987年10月に株価が暴落したブラックマンデー前夜と似てきた」(外資系証券幹部)と警戒されている。
ブラックマンデーでは、米ダウ工業株30種平均が1日で23%安と大暴落した。ドル資金が利上げ観測の強まる西ドイツへ流入し、米国は株式、債券、通貨が売られるトリプル安に見舞われた。
「制裁がエスカレートして天然ガス代金まで決済不能となれば、ロシアからのガス供給が止まる欧州の物価が上がり、インフレ対策で欧州の連続利上げが濃厚です。欧州で金利が跳ね上がれば米国も連動して金利が上がり、欧米安の流れが日本を巻き込むリスクが出てきます」(外資系証券幹部)
ただ、ブラックマンデーの2年後、日経平均はバブル最高値の4万円近い水準に駆け上がっている。株価の短期暴落は反騰相場の起点にもなる。
【2022年3月7日発行紙面から】