ロシアのウクライナ侵攻で原油高騰に対応するため政府・与党は16日、ガソリン税の一部を軽減するトリガー条項の凍結解除の検討に入った。しかし、大幅な減税になるため財務省の〝抵抗〟は必至で、対象燃料がガソリンと軽油に限られるなど制度設計の変更も必要となってくる。
トリガー条項は、ガソリン価格の平均が3カ月連続で1リットル当たり160円を超えたのを引き金(トリガー)に税率上乗せ分(約25円)を減税する措置。発動されればガソリンの小売価格が1リットル当たり25・1円下がることから、40リットル給油すれば1000円程度安くなる。
萩生田光一経済産業相は15日、「発動すれば、ばら色になるという制度ではない」と否定的な見解を示していた。しかし、政府がすでに支給している石油元売り会社への補助金以外にも、原油高騰の抑制策が必要と判断した模様だ。
仮にトリガー条項の発動が1年間続いた場合、国で1兆円程度、地方で5千億円程度、合計では1兆5700億円程度の減収が見込まれる。