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今月11日で東日本大震災から11年が経過した。11年前、私は東京都知事選に出馬を表明していた。
その時選挙を戦った、石原慎太郎元都知事が先月亡くなられた。石原さんは当初不出馬表明をしていたが、3月11日の地震発生直前に一転して出馬表明し、驚いたことを覚えている。
石原さんは、自らがよいと思ったことを徹底して実行に移される方だった。ディーゼル車の排ガス規制や、羽田空港の国際ハブ空港化、「複式簿記」「発生主義」を取り入れた都の会計制度などは、良い改革だった。東京都は国に依存せずに経営できる唯一の自治体で、一連の改革も奏功し、東京の財政を立て直す大きな功績を残されたと思う。発信力も大きかった。
都知事選後、ゴルフ場でお会いした時、真意は置いといて「本当は、渡邉さんに任せようと思っていたんだよ」と、あのニコリとした笑顔で声をかけていただいた。「本当に人に愛される方だ」と感じた。
私は「優良企業」である東京都はアジアで香港やシンガポールの仕事をとって、金融のハブとして地位を確立し、アクセルを吹かせれば、日本を牽引(けんいん)し、財政破綻にも備えることができると考えていた。