米疾病管理予防センター(CDC)によると、米国内で過剰摂取による死者数を押し上げているのはフェンタニルなどの合成オピオイドであり、昨年1年間で38%上昇した。
フェンタニルは通常、慢性または術後の強い痛みに苦しむ患者の治療に使用される合成オピオイドである。
米麻薬取締局によると、フェンタニルは効能を増大させるためにほかの違法薬物に混ぜ入れられ、粉末または鼻腔用スプレーにして売られるが、最近では見た目を合法的に処方されるオピオイドそっくりに錠剤に押し固めたものが増えている。何の監視も品質管理体制もないため、こうした偽造ピルにはほんの数粒で致死量を超える量のフェンタニルを含むものも多い。一方、約束された成分は一切含まれていない。
効能が高く安価のため、違法薬物の売人はフェンタニルをヘロイン、メタンフェタミン、コカインなどの薬物と混ぜて売るようになり、それが致死的な相互作用の危険性を高めている。日本に入ってくる違法薬物には意図的にフェンタニルが混入されている、という重大リスクがあるのだ。
こうしたことを背景に、薬物問題は今後日米両国でさらに深刻化していくと見られている。
さあ、気を引き締めよう。