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松山競輪場のある松山中央公園は、さまざまなスポーツ競技施設が整っており、2017年の愛媛国体ではメイン会場となりました。
この場所は、松山平野を流れる大きな2つの川の中州に位置しています。そのひとつである重信川には、歩行者・自転車専用道路(サイクリングロード)も整備されていて、競輪開催中はそこでジャンの音を聞くことができます。
元々の自転車好きから、職業として競輪選手を選んだ自分ですが、職業となると楽しんで自転車に乗ることはできませんでした。引退後、しばらく自転車に乗ることはなかったのですが、一般社会人となった日常の生活に慣れたころから身体の不調を感じはじめ、健康な身体でいることを目指して再度自転車に乗り始めました。時間を作って、松山競輪場の傍を走るサイクリングロードに自慢のロードレーサーで走りに行きます。
あるとき、このサイクリングロードの、ちょうど競輪場が見えるところで休んでいると、ママチャリの前籠にマークシートを入れた競輪ファンと思しき男性が近づいてきました。そして、自分の顔を見るなり、唐突にこう聞いてきました。
「菊池くん! 今日の最終レース誰が来るかな?」
競輪場の近くでは、知らない人に名前を呼ばれることがよくあります(笑)。
メンバーと並びが掲載されているスポーツ紙を見せてもらい、「村上義弘選手」と即答!
しかし、どうもその答えに合点がいかなかったようで「それはないわ…」と言いながら立ち去っていきました。それがどうでしょう。夜になってレース結果を見てみると、村上義弘選手キタ! あれは、いつのレースだったかな。
それから何カ月がたって、同じ場所で休んでいると、またまたその方とバッタリ!
「さすがやな、菊池くん! 村上来たで」あのときのことを覚えていてくれました。
そして、ちゃっかりとまた「今日の最終は?」と(笑)。「平原康多選手」と答えると「ふーん」。そして後日、「また来たで(笑)」。
その方は競輪場に来るとき、必ず、またいないかな?と自分を探していると話してくれました。競輪解説のとき、それはもう頭が煮詰まるほど考えても当たらないこともあるのに、サイクリングロードで自転車に乗っているときにひらめく車券はほぼ当り。これはもう、そこは車券パワースポットなのかなと(笑)。
出稿時間の都合上、本予想はサイクリングロード外での予想となります。当たりますように。パンパン!
松山FⅠナイターA級決勝11Rは連日動き良い吉堂選手の頭から〔1〕-〔5〕〔2〕-〔5〕〔2〕〔6〕〔4〕。
S級決勝12Rは熊本ラインが厚い〔2〕-〔7〕↔〔5〕。そして地元・橋本選手の飛びつきから〔2〕-〔4〕↔〔1〕。
(元競輪選手・プロコーチ)
■菊池仁志(きくち・ひとし)1961年7月生まれ。愛媛県松山市出身。1981年6月選手登録47期。83年4月S1班昇格。2011年11月にS級在籍のまま競輪選手を引退。競輪選手生活30年のうち、S級在籍は28年に及ぶ。
GI、GII決勝戦進出。GIII向日町優勝など。通算268勝。競輪選手引退後は、競輪解説、コラム執筆などを手掛け、15年からプロコーチとしても活動。「K-FITTINGバイクスクール」を開講し、ジュニアから社会人、プロ選手といった幅広い層の指導にあたる。選手の癖を読み取るのが得意。