コロナで足踏みしていた期間に、得たものもある。巣ごもり需要で、物販の売り上げが倍以上になったことから、「みんな赤からの味が好きなんだなと再認識した」という鈴木氏。「赤から」をベースにした新ブランドは、予定より早くコロナ禍中にスタートさせようと決意した。
昨年9月、「赤から」韓流版「赤からソウル」1号店を静岡県浜松市にオープン。ベースの韓国料理に赤からの特製味噌使用のソースをプラスし、「赤から」にしか作れない韓国料理を提供する新業態だ。11月に札幌市に2号店、今年1月には東京・恵比寿にオープンし3店舗となった。すべて、既存の「赤から」からの業態チェンジとなる。
出店した3店舗は郊外型・駅前型・都心型のモデルケースで、ターゲットの客層による内装変更や、既存の「赤から」を低コストでチェンジする手法などのデータ収集にも役立てている。春過ぎまでは状況を見ながら3店舗を営業し、その後、既存の「赤から」オーナーからの希望を優先し、次に新規でFC募集を行う。
コロナ禍で、改めて自社ブランドが「選ばれている店」だと確認した鈴木氏。感謝とともに、さらに強いブランドに育てていく。また、ゴーゴーカレーとの提携は、困難な時期だからこそ同業やライバルの垣根を越えて何かに取り組めるチャンスであり、外食産業全体を底上げしていく良い流れを作っていくことになると意欲を見せる。 (取材・福士由紀)