
一時1ドル=121円台に
ロシアのウクライナ侵攻を機に円安とインフレが同時に家計を襲っている。外国為替市場では22日、約6年ぶりに一時1ドル=121円台を付けた。一方、店頭ではガソリン価格や食料品の値上げが続く。資産を守るためのテクニックを専門家に聞いた。
このところの円安ドル高の背景は、利上げを加速させる米国と金融緩和を継続する日本との間で金利差が拡大するとの観測に加え、ロシアのウクライナ侵攻で「有事のドル買い」が進んでいることにある。
市場では2015年6月に記録した1ドル=125円台まで進むとの声も聞かれる。円安を逆手に取り外貨を運用して資産を守る手もありそうだが、経済ジャーナリストの磯山友幸氏は「インフレとは通貨の価値が落ちている状態だ。米ドルは日本円と比べて下落の幅は小さいが、価値自体は下落傾向にある。外貨を集めることは決して安全な手段ではない」と指摘する。

比較的安全な資産運用はあるのか。「安全資産の代表格である金(ゴールド)はコロナ禍の影響で過去最高値を更新しているが、戦争やインフレ懸念で人気が続く可能性が高い。実物資産として不動産を購入する手もあるが、東京都内の不動産価格は異常な高騰が続き、今はおすすめできない」と磯山氏。
もちろん投資にはリスクもつきまとう。磯山氏は「比較的安全だからといって全ての資産を金に換えればいいわけではない。貯金額の3分の1など余裕のある範囲で運用すべきだ」と指摘した。