「もう私、あの人たちのことは知りませんから!」
激怒しているのは秘書のAちゃん。以前、ひどい〝選挙詐欺〟を見ている。
選挙中に「動画を撮ってあげますよ」などと親切そうに近づいてきて携帯で演説の様子などを撮影した後で、莫大(ばくだい)な金額を請求するものだ。前回選挙ではAちゃんと親しい野党のB議員が狙われた。
「B事務所には『注意するように』と言っていたので、大した被害はなかったのですが、最近はC議員が狙われているようです。これまでも散々忠告したのに、C議員はわざわざ〝選挙詐欺〟に引っ掛かろうとしているフシがあるのです!」
C議員は次の選挙はかなり危なく、話題づくりを含めて、わらにもすがる気持ちは理解できる。ただ、意味不明な請求書が来たら、C議員は払うのか。
「おそらく党本部に押し付けるつもりでしょう。ただ、そのお金はそもそもが税金。私が許せないのは、野党のくせに税金だと使い方が一気に緩くなる議員の金銭感覚です!」
そんな議員は落選して当然だけどね。