日本の解き方

日本の軍事・安全保障研究を長年阻んできた「考えずの壁」 事前審査は科学者の意欲を削ぐ2/2ページ

海外において、安全保障研究を制限する動きを学会が行うかといえば、筆者は寡聞にして聞いたことがない。世界で普遍的な学問の自由に抵触するからだ。一部の人がそうした声を上げることはあっても、個々の学者の良心に委ねられており、学会全体で決定することはまずないだろう。

そもそも科学技術の多くはは、軍事的にも民生的にも使えるものだ。ノーベル賞は、ダイナマイトを発明し巨額の富を得たノーベルの遺産に基づくものだが、そのダイナマイトはそもそも軍民両用だ。ダイナマイトに限らず、およそ全ての科学技術が軍民両用だとの見方もできる。

一方、日本学術会議はデュアルユース(軍民両用)の研究を認めないとの指摘もある。「軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究について、その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべきである」との見解を示しているが、研究者は本能的に興味があるものを研究する人たちなので、事前審査があるだけで研究意欲はなくなるものだ。

実際のところ、研究段階では軍事用なのか民生用なのか識別困難だ。科学技術全体に多くの研究資金を用意し、研究者には一所懸命研究してもらう。民生用ならばそれでいいし、仮にその一部が軍事用になっても、実際の行使の段階で政治判断に委ねたほうがいい。

全ての科学者が軍事研究しなければいいというのでは、科学技術研究を否定してしまう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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