経済快説

「悪い円安」論は必ずしも正しくない! 「アベノミクス」では、むしろ〝求めるべき状態〟 メリットは企業の業績と雇用が改善、賃金も上昇1/2ページ

円安で日銀の黒田東彦総裁への風当たりも強い
円安で日銀の黒田東彦総裁への風当たりも強い

最近「悪い円安」という言葉を頻繁に見聞きする。輸入物価が上がり、ガソリンや小麦製品などの生活必需品、さらには電気料金などが上昇して勤労者の生活を圧迫している。

ロシアのウクライナ侵攻がこれらに拍車をかけた。そして、輸入物価の上昇に円安は一役買っている。また、国民1人当たりの国内総生産(GDP)を計算する際に円安になった為替レートで計算すると、日本の国力がいかにも凋落しているように見えることが気に入らない向きもあるだろう。円安が国民に悪い面は確かにある。

言葉には、それを使っていると事実がその通りだと思わせる力がある。円安は本当に悪いのか。この点を十分考えずに「悪い円安」という言葉を使っていると経済に対する認識や政策を誤る原因になりかねない。

いわゆるアベノミクスでは、円安はむしろ「求めるべき状態」だった。円安になることは直接的にインフレ目標の達成に貢献し、円安で日本製品やサービスの国際競争力が改善することで、企業の業績と雇用が改善し、賃金が上昇するようになっていっそうインフレ目標が達成されやすくなる。そして、マイルドなインフレの状況下では、金利を低下させることで景気を後押ししやすい。

こうした円安のメリットは、現在も基本的に変わっていない。付け加えると、日本の製品・サービスの国際競争力の問題はよく話題になる輸出の競争力ばかりでなく、輸入される財・サービスと国内の財・サービスの競争関係にもあることを忘れてはいけない。

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