/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/67SQOQ75HNNJLH63ZTLIPLVT3A.jpg)
中国北東部の山の中で世界一大きなクレーターが発見された。直径は1・85キロメートル。発見地の名前を取って「依蘭(いらん)クレーター」と名付けられた。
いままで最大のものとされてきたのは、米国・アリゾナ州の「バリンジャー・クレーター」で、直径1・2キロメートルだった。今から約5万年前に落ちてきた隕石(いんせき)によって作られたもので、深さ200メートル。クレーターを取り囲む周壁の高さは30メートルある。この直径でも十分大きい、見渡す限りが丸い大きなクレーターだ。
中国で新たに見つかったクレーターは、4万6000~5万3000年前に作られた。後期旧石器時代だ。米国のクレーターは約5万年前に作られたので、ほぼ同時代である。
ともに、これだけのへこみを作るだけに、すさまじい衝突だったに違いない。これからも、地球のどこかに隕石が落ちてクレーターを作ることがある可能性は大きい。
ところで日本にもクレーターがないわけではない。長野県飯田市の南アルプスにある御池山(おいけやま)クレーターは小型で直径900メートルながら、立派なクレーターだ。
火山が多くカルデラや火口が多い日本列島では丸いものがクレーターとはかぎらない。しかも降水による浸食が盛んな日本ではクレーターがあっても痕跡が残りづらい。
香川・高松市仏生山(ぶっしょうざん)地区にある緩やかな凹地(くぼち)は「高松クレーター」と呼ばれていたが、近年、1400万年前のカルデラ跡だと判明した。つまりクレーターではなくて、火山起源だったわけだ。