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政府・与党は先週、年金生活者らに5000円の「臨時特別給付金」を支給する方向で検討に入ったという。約2600万人が受給対象で、事業規模は2000億円程度。長引くコロナ禍で年金受給額が減ることへの対策らしいが、多くの国民が、夏の参院選を見据えた「バラマキ」「選挙対策」と言われても仕方ないことを理解している。
給付金支給は、自民党の茂木敏充幹事長と、公明党の石井啓一幹事長らが15日、首相官邸を訪れ、岸田首相に検討を要望した。「検討おじさん」の異名を持つ首相は冗談ではなく、「しっかり受け止め、検討したい」と応じたという。新聞にそう書いてあった。
自民党と公明党では、参院選での相互推薦の調整が難航していたが、基本合意を交わした日から4日後の申し入れだった。米国人の私でさえ、「李下に冠を正さず」という故事は知っている。正直、岸田文雄政権の政策センスを疑ってしまう。
このような政策が出てくること自体、政権側が国民をバカにしている証拠ではないのか。
さすがに、野党だけでなく与党内からも批判が出ているという。当然だろう。コロナ禍では、高齢者だけでなく現役世代も苦しんでいる。岸田政権側は「現役世代の賃金低下は、政権による賃上げの取り組みで緩和できる」と考えているようだが、賃上げは職種や企業によって大きく違う。