さらに、通常軌道で発射すれば飛行距離は約1万5000キロとなり、米首都ワシントンを含む東海岸まで到達できる能力があると分析された。
ロシアのウクライナ侵攻による国際社会の混乱に乗じた挑発との見方があるが、単独行動ではない可能性もある。
北朝鮮は2月27日と3月5日にも、弾道ミサイルを日本海に発射している。その最中の3月3日、北朝鮮外務省のキム・ジョンギュ欧州1局長と、アレクサンドル・マツェゴラ駐北朝鮮ロシア大使は「戦略的協力の一層の強化」について協議したと、北朝鮮外務省が公表している。
北朝鮮が1月に4発発射した変則軌道の短距離弾道ミサイル「KN23」と改良型は、ロシアのミサイル「イスカンデル」に酷似している。日米韓は「露朝の技術協力」を疑っている。
一連の動きをどう見るか。
元韓国国防省分析官で、拓殖大学主任研究員の高永喆(コ・ヨンチョル)氏は「北朝鮮とロシアが連動している可能性が高い。北朝鮮軍の将校には、ソ連軍やロシア軍への留学経験を持つ者がいる。プーチン政権下のロシア軍と、北朝鮮軍は実務者レベルで深いパイプがあるとされる。技術面でも部分的なやり取りもある。今回の発射は、ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、ロシアが米国を牽制するためにそそのかし、北朝鮮が手先として動いた可能性を否定できない」と語った。