また、激しい運動や動作をせずに、腕を下にダラっと垂らしているだけでも筋肉は緊張しているので、加齢で筋力が低下した中高年には不調が生じやすくなります。さらに、日常的にテーブルに肘を置きながらテレビを見たり、ベッドでうつぶせになって両肘をつきながらスマホを操作したりする人が感じやすい、肩の痛みの一つの要因になっている部位でもあります。
肩の前部の深い部分から痛みを感じる場合は、「棘下筋」がトリガーポイント(痛みの発生源)になっていることがよくあります。この筋肉に多大な負荷がかかって硬くなり、筋膜にねじれやよじれが発生し、バランスが崩れて可動域が制限されると、付着部周辺に炎症が起こります。結果として、手や前腕のしびれなどの慢性障害、四十肩や五十肩の原因となるわけです。
ちなみに、プロゴルファーは肩周りの可動域を高めるために、「棘下筋」のケアは毎日しているそうです。トリガーポイントが形成されやすい筋肉なので、定期的に筋膜を解きほぐして、筋肉がスムーズに動くように皆さんも取り組んでみてください。