2014年、「孤独のグルメ」のseason4で、愛知県の日間賀島というところに行った。知多半島の先っちょから船で10分の小さな島だ。
知らない島だったが、すごくよかった。周囲をぐるりと回る散歩道があり、一周徒歩で2時間ほど。その間に二つの港があり、浜があり、高台があり、いくつかの飲食店がある。
店も宿も、食べ物がおいしかった。
名物はタコとフグ。
まず、最初に食べたタコしゃぶがおいしかった。でも、ちょうどワカメがおいしい時期で、タコと一緒に入れるのだが、湯に入れた途端、鮮やかな緑に変わり、これがあまりにも旨くて驚いた。タコより印象が強い。ああ、書いていたら食べたくなった。寒い時季がいいらしい。
そのあと、フグの刺身も食べたが、あまり記憶にない。というのは、さんざん飲んだ締めに食べたタコめしが、これまたすこぶるおいしかったからだ。
酔いが一瞬覚めるほどで、珍しくお代わりした。
「この島のタコがおいしいのは、カニを食ってるからです。人よりイイもの食って育ってるんだから」
と、島の人が笑って言ったのが忘れられない。実際タコはカニを食べる。