
「オレが将来やりたい〝俺活計画〟を聞いてくれ! 30分くらい時間ないか?」
旧友が突然ズーム会議を申し込んできた。彼はいま活躍中の政治家だが、「やっぱり俺活だよな。俺活しないといけない」と熱く語った。
「50歳からの俺活プロジェクト」を立ち上げたこの1年、私はある驚きを感じている。それは、すべてを手にしているかのような人が、こぞって俺活に関心を抱いているということだ。
地位もお金も名誉も、愛する家族もすべて得ている成功者たちが、「本当の自分」を取り戻そうとしているのだ。
■成功につれて「俺」を出せなくなる
俺活の定義は「僕や私ではなく、俺を主語にしながら、本当の自分になれる居場所を見つける」ことだ。そもそも成功者たちは、好きで得意なことに没頭して成功を勝ち取ってきた。しかし、彼らの本音は「成功すればするほど、本当の自分を表に出しにくくなる」ということだ。だからこそ、自分のメンタルを健全に保つために俺活をして心を自由に泳がせたくなるのだ。
■「俺活では別の顔」と割り切る
組織での職位が上がり、肩書が付き、責任が重くなるにつれ、「コンサバティブな物腰」が必要とされる。コンプライアンスに気を配り、パワハラやクレームは厳禁。自らの振る舞いが組織に悪影響を与えないように振る舞うようになる人が多い。
SNSでも個人的な思いや体験をアップするのを差し控えたり、更新自体を止めてしまう人もいる。これは仕方がないことなので、「職場は舞台だ」と思って演技をやりきるしかない。
しかし、表舞台から降りたら役柄を変えよう。俺活の舞台で思い切り自分らしくパフォーマンスをすればいい。真夜中は別の顔ではないが、俺活でも「別の顔」が基本だ。〝確信犯〟で思いきり振り切るほうががいい。