
任期が残り約1カ月半となった韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「保身」に邁進(まいしん)している。新型コロナウイルス対策や外交、経済など数々の「負の遺産」を残したにもかかわらず、勲章の「セルフ授与」を準備するなど5年間の失政隠しに必死だ。5月10日に就任する尹錫悦(ユン・ソンヨル)次期大統領は文氏周辺の疑惑捜査を示唆するが、逃げ切れるのか。
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「むなしいです、K防疫」「こんなデタラメな国政があるのか」
朝鮮日報(日本語電子版)は、文政権のコロナ政策や不動産政策をこう糾弾した。24日午前0時時点の新規感染者数は39万5598人と高止まりし、死者は470人と過去最多。「世界最悪」の感染状況が続き、文氏が自画自賛していたK防疫は完全に崩壊した。
国内経済では不動産価格の暴騰を抑制できず、家計負債は拡大したほか、若者を中心に雇用環境も深刻だ。外交では「親中反日」政策で西側諸国の結束を崩し、悲願の北朝鮮との統一も失敗に終わった。
文氏をめぐっては地方選挙への不正な関与疑惑や不正な土地投機疑惑が浮上していたが、「韓国版ゲシュタポ」と言われる高位公職者犯罪捜査処(公捜処)を設置するなど、捜査権を検察から奪い、大統領への集中を図ってきた。
だが、文政権周辺の捜査に言及している保守系野党の尹氏が大統領選で勝利したことで文氏の目算は大きく狂った。