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膀胱(ぼうこう)の下で尿道を取り囲んでいる前立腺が、加齢とともに肥大する「前立腺肥大症」。尿道が圧迫されて「尿が出にくい」「頻尿」「残尿感」などの下部尿路症状が現れる。
治療は、通常は薬物療法が行われ、改善が不十分で悪化するようであれば手術療法が検討される。手術療法は、尿道から内視鏡を挿入して肥大した前立腺を電気メスで削る方法(TURP)や、レーザーを使って前立腺をくり抜いたり、蒸散させる方法が行われる。
そして今年4月から保険適用になるのが「経尿道的前立腺吊り上げ術(PUL)」という方法だ。どんな手術になるのか。獨協医科大学病院・排泄機能センターの山西友典主任教授=顔写真=が説明する。
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「従来の手術療法は、どれも肥大した前立腺組織を物理的に除去して、尿道を広げる手術になります。しかし、PULの場合は前立腺組織を切開したりすることはなく、肥大した前立腺を専用の治療機器を使って、インプラントに装着した糸をしばることにより、前立腺部の尿道が吊り上げられ、尿道のスペースを広げる術式になります。FDA(米国食品医薬品局)では2013年に承認されていて、欧米では長期効果が保証されている治療法です」
PULも他の手術療法と同じように、尿道から挿入した内視鏡で観察しながら行う。専用の内視鏡装置を用いて、膀胱頸部(出口部)から1・5センチ以上離れた前立腺被膜(外側の膜)に針をかける。そして針に付いた糸で前立腺をしばり上げた状態で糸を切断する。この処置を4~6カ所行って終了となる。