
ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシア軍への高い不信感が継続している。侵攻したウクライナの首都キエフ周辺の軍事作戦を大幅に縮小すると表明したが、歴史的にも国際法違反を連発してきた国だけに、にわかに信用できないのだ。米国は、ウクライナの反撃を受けて「ロシア軍は首都制圧に失敗した」と分析しており、作戦縮小も「撤退ではなく再配置」と冷ややかに見ている。「偽装撤退」で油断させる狙いなのか。ロシアとウクライナは29日、トルコのイスタンブールで停戦交渉を再開したが、合意へのハードルは高そうだ。
「(ロシア側が)どういう行動を取るか見る必要がある」
ジョー・バイデン米大統領は29日、ロシアによる攻撃縮小表明について、こう疑いの目を向けた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も30日、公式フェイスブックに「われわれの破壊のために戦い続ける国家の代表者の言葉を信用する理由はない」と投稿した。
対面方式による停戦交渉は29日、イスタンブールで行われた。
交渉終了後、ロシアのアレクサンドル・フォミン国防次官は、信頼醸成措置として、首都キエフと、北部チェルニヒウ方面での軍事作戦を大幅に縮小すると表明した。