ただし、60歳以上だからといっても、雇用形態や就業条件、求められるスキルは変わらない。シニアだから、と特別扱いされるわけではないことは認識しておく必要がある。のんびり自分のペースで働かせてもらおうというわけにはいかないのだ。
さらに、役職もいったん振り出しに戻る。
「給料、労働時間、仕事内容など、すべての条件を妥協せずに転職や再就職を実現することは難しいです。雇用形態も、派遣社員や契約社員をへて正社員雇用に切り替わるケースもあるため、条件を広げて探す必要があります」
ある程度妥協して応募する気になったら、履歴書を書くことになるが、ここで注意点がある。
「シニア応募者の職歴は長くなりがちです。職歴が膨大だと採用担当者の負担が増す。それは採用側の心理にプラスとならないだけでなく、強調したい経歴も埋もれやすくなってしまうのです」(中島さん)。