アジア最大級の格闘技団体「ONE Championship」の10周年記念大会「ONE X」が26日、シンガポールで開かれ、ライト級で人気格闘家の秋山成勲(46)が、〝日本人最強〟の呼び声が高い青木真也(38)と対戦した。柔術をバックボーンに活躍する青木が有利とみられたが、下馬評を覆し秋山が見事にTKO勝ち。
以前もここに書いたが、秋山の総合格闘技デビュー当時から、数えきれないほど取材してきた。取材を通じて関係値を積み上げ、気心が知れるほどの関係になったと思う。それゆえ、彼の人生における節目となる大一番の勝利は、自分事のように喜びが爆発した。
試合から3時間ほど経過し、おめでとうラッシュが落ち着いた頃合いにLINEを送ってみると数分で感謝の返事が返ってきた。慌ただしい時間帯ですら、律儀に返信をしてくるあたりに人間性がにじみ出ている。
同時に、彼との思い出が次々によぎった。人気格闘家として絶頂期の頃、FRIDAYの巻末カラーで「秋山成勲『俺の肉』」というグラビア連載を担当した。
秋山オススメの肉料理のうまい店を紹介するコーナーだった。中でも記憶に残っているのは、ひいきの焼き肉店で韓国焼き肉と韓国辛鍋をふるまってくれたことだ。かなり気に入って、10年ほど経過した今もプライベートで通っている。店の名物の一つ、コプチャン辛鍋が絶品なのだ。
コプチャンは牛の小腸で、いわゆるホルモン鍋である。冬場に体を温めたくなると、つい頼んでしまう。そして、秋山から教えてもらった裏メニューが、辛鍋の汁に白飯とチーズを加えた「チーズ雑炊」で、必ず〆に注文することにしている。
折を見て久々に、こちらの店でぜひ祝勝会をしたい。そして願わくは、この名勝負から時間を空けずに、ロングインタビューをして今後の格闘技への思いを届けたいと思っている。