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ドラム式の洗濯機が壊れたのでネット通販の下取りセールで縦型の洗濯機を注文した。当日、下請け業者の2人は新品を設置したあと、下取り品を階下(1階は両親が住んでいる)に降ろしかけて戻ってきた。
「手すりが邪魔で降ろせないので今日は置いて帰ります。外せば大丈夫です」と言う。
手すりは後から付けたものだ。オレは手すりをすべて外し、後日再び業者を呼んだ。前回とは顔ぶれが違う。するとヤマコウにそっくりなヤサ男がやりもしないで「これは無理っす。ドラム式はデカくて壁紙に傷が付くのでご自分で降ろして頂けますか」と言う。
「手すりを外せば大丈夫と言われたけど?」と食い下がったが、無理の一点張りで帰っていった。
困ったオレは当コラムでも度々登場する弟弟子の森山昌昭を呼んだ。「とりあえず降ろしましょう、ダメなら重機しかないす」ところが現役はすごい。重たいドラム式洗濯機を下で支えながら(オレは上部担当)階下まで軽々と降ろした。業者の言葉に納得がいかなかったオレは会社に電話し事の顚末(てんまつ)を伝えた。
次の日、ヤマコウ似の男が謝罪にやってきた。
「君も〝プロ〟やろ。これじゃダメやろ」
「本当に申し訳ありませんでした」と、これで一件落着かに見えたこの話には続きがある。
近所に住むO記者が「ネット通販の下取りセールで冷蔵庫を買ったが、引き取り業者が下取りの冷蔵庫を家から出せんから自分でやってくれと言う。来週引き取りに来るから浩司と昌昭に手伝ってほしい」と。またあのヤマコウ似のあんチャンだったら今度は許さねぇからな。
4月1日から、大学を卒業したばかりの次女もホテルマンとして社会人になる。
「カネをもらう以上自分はプロだということを忘れるな」
元プロの父にはこの言葉しか思い浮かばない。ちなみに配属先はというと…西表島。思わず笑った。
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伊東ナイター初日A級特選12Rはベテランの新田が中団を確保して3番手からまくり追い込みを決める。〔2〕-〔1〕〔4〕-〔1〕〔4〕〔5〕。(元競輪選手)
■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から〝鬼軍曹〟として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を執筆。『まくり語り』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。