ロシア軍が攻勢を強めるのは、ウクライナ東部のドネツク、ルガンスクの2州だ。ドネツク州の親ロ派は「州の55~60%を支配下に置いた」とし、「州全域の制圧を目指しロシア編入を検討している」と表明した。攻防が続く南東部の港湾都市マリウポリでは、独自の「市行政機関」樹立を主張した。
マリウポリをめぐっては、英BBCなどが、米シンクタンク「戦争研究所」の分析として、ロシア軍がマリウポリ中心部へさらに進出し、数日以内に陥落する可能性があると紹介している。
ただ、ロシア軍は内部の指揮系統が乱れ、兵士の士気が下がっているとの見方も多い。
英ザ・サン紙は、ロシア軍の司令官、ユーリ・メドベージェフ大佐とみられる人物が担架で運ばれる写真を取り上げている。西側当局によると、反発したロシア兵が戦車でメドベージェフ氏の足をひいたというのだ。
さらに英ミラー紙などは、一部のロシア兵が自らの足を撃ち、病院に運ばれることで戦場から逃れようとしているとも報じている。