足かけ3年に及ぶコロナ禍で、各大学ではオンライン授業が急速に浸透したが、新年度から対面授業を再開する動きが相次いでいる。今月からは「コロナ前」を知らない世代が3学年を占めることになるが、キャンパスライフを取り戻すうえでどのような「リハビリ」が求められるのか。
文部科学省が全国の国公私立大と高等専門学校を対象に実施した「学生の就学状況に関する調査」によると、昨年4月~12月までに中退した人数は前年より増加した。理由として最も多かったのは「学生生活不適応・修学意欲低下」の30・3%で、一昨年の調査で最多だった「経済的困窮」は19・9%だった。
文科省は3月22日、中退者・休学者には「オンライン授業の実施などで大学へ通う機会が十分に得られず人的交流ができていないと感じた者がいたことも考えられる」として各大学に対面授業の実施や図書館などの学内施設の利用機会確保に向けた取り組みを要請した。
この要請以前から、新年度の授業運営について東京大、東北大、京都大など国公立で対面授業を基本とする方針が発表された。私立でも青山学院大、関西学院大などが対面を基本とするほか、慶応大は9割以上、明治大は7割以上と対面授業の割合を掲げている。