3月30日に老衰のため76歳で死去した作家の宮崎学さんは、1984年から85年にかけて起きた「グリコ・森永事件」では、現場近くで目撃された「キツネ目の男」として疑われたことでも知られる。
45年、京都市生まれ。早大中退後、週刊誌「週刊現代」記者や解体業などを経て、96年に自身の激動の半生をもとに裏社会の実態などを描いた「突破者」でデビューし、ベストセラーになった。
中でも「グリ森事件」では、一連の脅迫事件で現金受け渡しの現場周辺で目撃された〝F〟と呼ばれる「キツネ目の男」の似顔絵によく似ていたことから、一時期「犯人説」が取り沙汰され、事情聴取を受けたこともあった。
反権力やアウトローの視点から発信を続け、警察や事件、暴力団を扱った作品を多く執筆した。「不逞者」「ヤクザと日本」「近代ヤクザ肯定論」など著書多数。