「最近の国際宇宙ステーションの生活環境は、大きく改善されました。それが、24時間リズムを整えることに役立つのです」
国際宇宙ステーション内は、朝は照明を明るくして夜は暗くし、照明の明暗が朝と夜で異なっているという。起床時間も消灯時間も毎日同じで、睡眠時間は8・5時間の長めに設定。食事も朝・昼・晩の3回の時間が決められ、週6回1日2時間の有酸素運動(自転車もしくはランニングマシン)の運動時間も組み込まれている。
「国際宇宙ステーションは90分周期で地球を周回しています。24時間リズムとともに90分リズムのメリハリも、宇宙飛行士ではよくなることがわかりました。そのため、睡眠リズムも整いやすく夜はぐっすり眠れるようになっていたのです」
宇宙に滞在し、体内時計を整えて健康になる。民間宇宙ビジネスが発展すれば、そんな時代も到来するかもしれない。しかし、宇宙旅行でなくても、日常の体内時計を整えることは健康的な生活にとって大切だ(別項参照)。
「体内時計には多様なリズムがあります。それを応用することで病気を防ぎ、健康を維持することが可能です。日頃から体内時計を意識しましょう」と大塚医師は呼びかける。 (安達純子)
■24時間リズムの整え方
□朝、目覚めたときに太陽の光を浴びる。夜勤などで夜目覚める人は、強い照明で朝日の代わりになる光を浴びる
□朝と夕方に軽い運動を心掛ける
□1日3食をなるべく同じ時間に食べる
□朝食3:昼食3:夕食4の食事量が理想的
□少なくとも週に1回は6時間以上ぐっすり眠る
※大塚邦明著『最高のパフォーマンスを引き出す習慣術』(フォレスト出版刊)から