日本サッカー協会の規律委員会が5日、クラブ幹部による敗退行為の指示があった日本フットボールリーグ(JFL)鈴鹿への処分を下した。
同委員会によると、鈴鹿は一昨年11月29日の最終戦で、ソニー仙台に敗れた方が、三重のJ3昇格を阻む可能性が高くなるため敗戦を画策。オーナーが監督らに「(試合状況で)負ける選択肢を選んでほしい」と発言し、元役員は選手に「わざとPKを与える」など、具体的な指示まで出していた。
同委員会ではスイスの調査機関に調査を依頼。当該試合は0―1で敗退したが「スポーツ賭博などに絡んだ試合結果の操作や八百長に関係する犯罪組織などとの関連性も確認されなかった」と結論を出した。選手らの反発を受けて社長がこの方針を撤回し「正々堂々戦う」旨の、選手14人による誓約書を交わしたことが決め手になった。
処分は、クラブに罰金500万円、八百長を指示したオーナーに3カ月、社長に1カ月、元クラブ役員には2年間のサッカー関連活動禁止。八百長行為が認められれば、大相撲やプロ野球などでも永久追放クラスの厳罰になるだけに、一度は敗退行為を指示した幹部らに、信じがたい大甘処分となった。