同国が、海外投資家への国債利払いなどをルーブルで行ったのは初めて。30日間の猶予期間が設けられているが、デフォルト危機が高まった。
福井県立大学の島田洋一教授は「ズベルバンクは、エネルギー分野の取引にも関わるロシア最大手行のため制裁が猶予されていたが、ロシア軍の残虐行為が報告されるなか、米国は覚悟を示したようだ。当然、それ以外の金融機関も波及する。ロシアのデフォルトは避けられない」と語った。
米欧が厳しい経済制裁に踏み切るなか、日本の動きが注目されている。ロシア極東サハリンでの石油・天然ガス開発事業サハリン1、2と、北極圏の液化天然ガス(LNG)事業「アークティックLNG2」について、撤退しない方針を示している。
拓殖大学海外事情研究所の川上高司教授は「ウクライナ戦争の長期化が指摘される。ロシアと中国が連携するかたちになれば、日本の経済安全保障上の懸念となる。本来は制裁強化をすべきだが、岸田文雄政権としては様子見もやむを得ないだろう」と語った。
ただ、アジアの自由主義国代表として、決断の時期は迫っている。
前出の島田氏は「日本は今後、台湾有事の際など、単独で決断をしなければならない機会が増える。今回のウクライナ侵攻のうちに、G7の中でも積極的な姿勢を打ち出せる気概をみせなければならない。いずれサハリンのエネルギー事業などの見直しを迫られるだろう」と語った。