日本の選択

日本にゼレンスキー大統領は現れるのか? わが国が亡国の危機に陥った時、祖国のために戦う胆識ある指導者1/2ページ

ゼレンスキー大統領は、国連安保理の会合でオンライン演説した=5日、米ニューヨークの国連本部(AP=共同)
ゼレンスキー大統領は、国連安保理の会合でオンライン演説した=5日、米ニューヨークの国連本部(AP=共同)

ウォロディミル・ゼレンスキー氏が2019年、ウクライナ大統領に選出されたとき、いささかの失望を感じ、当惑せざるを得なかった。「職業に貴賎なし」とはいえ、まったくの政治、行政経験がない素人が、大統領の重責を担うことになったからだ。

ゼレンスキー氏が人気を博したのは、「国民の僕(しもべ)」と題する政治風刺ドラマで破天荒な大統領役を演じたからだった。ドラマの中で立派な大統領を演ずることと、実際によき大統領として振る舞うことは異なる。子供でも理解できる道理であろう。

だが、ウクライナ国民はドラマの中の大統領を、実際の大統領に選び出した。私は「衆愚政治の極みではないか」と考えたのだ。

しかし、危機の際に本質は顕現する。ゼレンスキー大統領は類い稀(まれ)なる偉大な指導者だった。ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシア軍の全面侵攻を受けて、米国から国外退避を勧められた際、彼は言下にこれを否定した。

「戦闘が続いている。必要なのは弾薬であり、(退避のための)乗り物ではない」

闘うウクライナ国民を、何よりも鼓舞した言葉だろう。

仮に、ゼレンスキー氏が国外に逃げ出していたならば、ウクライナ国民の士気は消沈し、プーチン氏による傀儡(かいらい)政権が誕生していた可能性も否定できない。

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