今回は趣味にまつわるマンガの調査だ。
「感染症対策で在宅時間が増えたのを機会に、熱帯魚の飼育を始めました。子供のころに飼育した経験もあり、大丈夫だと思ったのですが、2カ月もしないうちに全滅させてしまいました。かわいそうだし、妻からは『あなたが生き物を飼うのは無理』と言われへこんでいます。水温などには十分に気をつけたはずなんですけどねえ。マンガの中に飼育の参考になりそうなものはないでしょうか?」 (不器用なパパ)
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探偵長にも似た経験がある。そこで、本棚をごそごそと探して、安堂維子里(いこり)の『水の箱庭』というマンガをひっぱり出した。2013年から14年にかけて芳文社の青年コミック誌『週刊漫画TIMES』に連載。単行本は全2巻で完結。電子コミック版もある。
主人公の朝霧水紀は熱帯魚専門店で働く駆け出しアクアリスト。水槽の中に魚や水草が暮らす人工の環境(アクアリウム)を作る専門家だ。商業施設や病院の待合室などで見かける熱帯魚水槽の大半はアクアリストの仕事。個人からの依頼で応接間や書斎に設置する水槽のデザインやメンテナンスを引きうけることも多い。