昨年のガールズグランプリ覇者・高木真備の引退に、まだ心打ちひしがれている今日このごろ…。
やめてしまう理由をいろいろ言う人もいますが、大ざっぱに男性と女性の考え方の違いってありますね。
矢野顕子さんが佐野元春さんの「SOMEDAY」をカバーしたものを聞いて、十代の洟垂れ小僧の私は「なんだこりゃ?」って思いました。いや、「なんでSOMEDAYをこんな風にしちゃうんだ!」と憤慨してました。が、1、2年後、テレビで矢野顕子さんが歌う姿を見てひと目惚れ。ちょうどそのじろ、佐野元春さんが矢野さんの「SOMEDAY」について、「男性は理想に向かって山を登るけど、女性というのは限りなく平原を歩いていくのだなあ」と語って、徐々に矢野顕子版「SOMEDAY」が好きになりました。
要するに、女性はものすごく合理的に物事を考えられるのですね。数年前、佐野さんは「スーパー・ナチュラル・ウーマン」という曲を発表しています。簡単に言ってしまうと、自分とは違う発想、考え方のできる女性をたたえ、リスペクトしているのです。
いかに十代の私が稚拙だったかわかります…。でも、芸能や芸術に触れる意味ってこういうことなんですな。
だから私は高木真備が若くして引退してしまうことに、寂しく泣きながらもエールを送りたい。
で、大人になった私が、高木真備の引退を知って最初に思ったのが、「税金大変だから、年内は走ればいいのに!」。合理的を通り越してセコいね…。
別府ナイター初日の特選12Rは、同県の林を支える北津留でしょうか。ウィナーズカップで動きが良くなかったので不安もありますが、7車立てなら大丈夫かな。中本とのワンツーと、太田の強襲で〔3〕↔〔5〕―〔2〕〔1〕、〔3〕↔〔2〕―〔5〕〔4〕〔7〕。
私の中で「スーパー・ナチュラル・ウーマン」は、過去と現在、未来の全ガールズ選手のテーマソングだ。
(落語立川流真打)
■立川志らべ(たてかわ・しらべ)1975年9月3日生まれ。静岡県伊豆の国市出身。落語家。2000年に立川志らくに入門。07年に二ツ目昇進。18年10月に真打昇進。趣味は音楽鑑賞、サッカー観戦。競輪の造詣が深く、好きな選手は村上義弘(京都・73期)。本紙競輪面にコラム『真打 志らべの口先先行一車』を連載中。