岸田文雄首相は8日、ウクライナ侵攻で残虐行為が次々と発覚するロシアへの追加制裁として、「ロシア産石炭輸入の禁止」や「外交官追放」などを発表した。ただ、欧米諸国よりワンテンポ遅れており、「後出し制裁」「後追い制裁」という印象は拭えない。
「(ロシアの)非道な侵略を終わらせ、平和秩序を守るための正念場だ。国民の理解と協力をよろしくお願いする」
岸田首相は8日夕の記者会見で、国民にこう協力を呼びかけた。
追加制裁には、「木材やウオッカなどの輸入禁止」「ロシア最大手銀行ズベルバンクとアルファバンクの資産凍結」「資産凍結の対象も拡大」なども並ぶ。
ただ、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどでの民間人虐殺を受け、ジョー・バイデン政権がズベルバンクなどの資産凍結を発表したのは6日で、EU(欧州連合)が石炭輸入禁止などの追加制裁案を発表したのは5日で、日本は遅れている。
欧米諸国は3月25日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の資産凍結方針を決定したが、岸田首相が加わると表明したのは同27日だ。岸田政権と欧米諸国の意思疎通は大丈夫なのか?