「夫婦仲があまり良くない」という女性に、いつごろから距離ができたか聞くと、「産後くらいから」という答えが、とても多いです。出産後の数年間に夫婦仲が悪化する現象のことを「産後クライシス」といいます。
原因をたどると事情は様々です。子供を優先させる生活に変わることや、ホルモンバランスの影響もあるようですが、私がとくに注目するのは、「夫が家事・育児に参加してくれなかった」という悲痛な叫びです。
「女性の愛情曲線」という調査に基づいたグラフがあります(出典:東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長、渥美由喜著『夫婦の愛情曲線の変遷』)。結婚直後は高かった夫への愛情が出産を機に右肩下がり。その後、夫が子育てに参加した場合は愛情が回復し、子育てに参加しない場合は低迷していることがわかります。つまり、末永く夫婦仲を良好にするには「両親の育児の参加」が欠かせないのです。