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バイデン米大統領が「戦争犯罪者」と呼び、欧米メディアが激しく非難し続けているロシアの独裁者は、精神状態がおかしくなっているのか。CIAやFBIをはじめ情報機関の分析では、「妄想に陥り、追い詰められると暴発する危険性がある」と、ワシントン・ポスト紙は伝える。
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たしかに、冷静沈着とされたプーチン大統領は、感情をあらわにするようになった。ウクライナ侵攻前のテレビ演説、ベラルーシのルカシェンコ大統領との会談などでは、身ぶり手ぶりを交え、ときとして手足をバタバタさせ、目を釣り上げて話していた。
実際に会ってもいない人間を診断することはできない。ただ、一精神科医として傍目で見ても、異様に映る。
これまでプーチン大統領に関しては、パーキンソン病、アスペルガー症候群などが指摘されてきた。だが、私には精神を病んでいるようには見えない。独裁者の常として疑心暗鬼から不安感に苛(さいな)まれているのは確かだが、精神に異常はきたしていないと思う。それは、これまでの主張が首尾一貫していて、論理性があることでわかる。核の使用をほのめかすことを問題視する声はあるが、そうした威嚇発言ができること自体、〝正常〟である。真偽はどうであれ、ウクライナをネオナチから解放する、ロシア軍は解放軍であると主張し続けていることも同様だ。
昨年末からの発言をざっと追ってみる。
2021年11月13日、NATOがクリミア沖の黒海で軍事演習をしていることに対し「われわれに対する重大な挑戦だ」▽12月18日、NATOの東方拡大に「ウクライナに軍事的関与をしないように法的なものを求める」▽12月21日、「アメリカやNATOのミサイルが、ウクライナに配備されたら、モスクワまで7分から10分以内に到達する。深刻な事態だ」。